「塗装後の白化現象が心配」
塗装後に、見た目が意図せず、かすみがかったように白くなることがあります。
塗り替えてさほど時間が経っていないのに、不具合が出てしまうと心配ですよね。
今回は、白化現象に関わるよくある質問や、原因と対策を紹介します。
□よくある質問と答え
*よくある質問について
高温多湿な梅雨の時期にスプレー塗装をすると、かすみがかったように白くぼけてツヤがなくなることがあります。
これは水性塗料では見られないものの、大半の溶剤型塗料で見られる事例です。
また、鋼板と触れている指の部分は白化せず、それ以外の部分は白化して手形がとれました。
この現象は何なのでしょうか。
*答え
これは「かぶり」と言われる白化現象です。
発生しやすい条件には以下のようなものがあります。
・蒸し暑いと感じる湿度(約80パーセント以上)であること
・シンナーの揮発速度が大きいこと
□白化現象の原因と対策について
では、白化現象はなぜ発生するのでしょうか。
原因はさまざまですが、塗装直後5分ほどでなるものから、硬化乾燥後徐々に白くなるものもあります。
まず、塗装直後に発生した場合から解説します。
最も多く発生するのはかぶり(ブラッシング)で、高温多湿の環境でニトロセルロースラッカー塗装を行った場合などに良く起こります。
多量の溶剤が短時間で揮発すると、表面が冷えて結露を起こします。
この時の水分により、表面層の塗料が溶解できず、つやが消え、白化します。
対策は以下のものがあります。
・除湿するなど塗装環境を変える
・塗装ブースや乾燥室の給排気を弱くし、短時間での溶剤揮発を防止する
・希釈溶剤に水と溶解するアルコール溶剤を混ぜる
・ノンブラッシングシンナーを入れることで、溶剤速度を遅くする
続いては、硬化乾燥後徐々に白くなる場合を解説します。
この場合の原因を分けると、4つあります。
1つ目は、塗料の乾燥速度の違いです。
油性目止めやオイルステインの上に2液型ポリウレタン樹脂塗料を塗った場合がその1つに当てはまります。
塗料の乾燥時間が違うと、塗料の接触面で塗膜層のズレが起こったり、塗料同士の相性が悪かったりするため、白化します。
従って、対策は塗料同士の相性を考えることです。
2つ目は、薬品の影響です。
漂白した素材や高濃度シュウ酸処理をした素材にポリウレタン樹脂塗料を塗装した場合がその1つに当てはまります。
このような場合、薬品の影響で白化します。
対策としては、薬品の後処理をしっかり行うことがあります。
3つ目は、乾燥時間の短縮です。
ポリウレタン樹脂塗料ではサンディングシーラーの厚塗りと乾燥時間を短縮して、次の工程に進むことで、白化が起こることがあります。
何割かが残ったまま硬化し、残りの溶剤がだんだんと揮発することで、そこが空洞となり白化するためです。
4つ目は、指紋です。
ポリエステル樹脂塗料の塗膜を研磨した後に、手で触ってから仕上げをした場合、後々指紋のような白化が起こることがあります。
これは作業者の汗の塩分の体積が潮解現象で膨張し、塗膜を押し上げ空洞となり、白化するためです。
作業が終わったら、中性洗剤を入れたぬるま湯で拭き、その後は素手で触らないように、塗装します。
□まとめ
白化現象には、塗装直後に発生するものと、硬化乾燥後にだんだんと白くなるものがあります。
それぞれ原因や対策も異なるので、以上で確認しておきましょう。
白化現象について心配がある方はぜひ当社までお気軽にご相談ください。
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