「外壁塗装は環境によってはできない場合がある」
梅雨のように湿度が高い時期には、外壁塗装ができないことがあります。
これは、「かぶり」という現象が関係しています。
今回は、湿度が高いとできない理由や、かぶりの仕組みについて紹介します。
□外壁塗装は湿度が高いとできない場合がある?
一般的に外壁塗装は湿度85パーセント以上だと、不適切だと言われています。
実際に、日本建設学会が発表している「建設工事標準仕様書・同解説JASS18塗装工事」にも以下のように記載されています。
・塗装場所の気温が5パーセント未満、相対湿度が85パーセント以上または、換気が適切でなく結露するなどで塗料の乾燥に不適切な場合は、原則、塗装作業に着手しない
・やむを得ず塗装する場合は採暖や換気などの養生を行う
このように、湿度が高い時に塗装作業を行うことが推奨されない理由は2つあります。
1つ目は、塗料が硬化するのに時間が必要なためです。
湿度が高いと塗膜が硬化するまでの時間が長くなる可能性があります。
硬化するまでの間は、性能が発揮されない状態のまま待つこととなります。
つまり、その間に砂塵や水滴がつくなど、何かが起こるリスクが高まります。
2つ目は、かぶり現象のリスクが高まるためです。
塗料は硬化する過程で、塗料自体の温度が下がってしまいます。
その際、湿度が高いと空気中の水蒸気が冷やされ、液体に戻り、結露する可能性があります。
当然、まだ硬化しきれていない外壁に結露が発生すれば、かぶりが発生します。
□「かぶり」の仕組みについて
上記2つ目で解説したかぶり現象とは、もやがかかったように白っぽく滲んだような感じになる現象のことです。
かぶりの原因はフラットベースの吹きすぎによるものと、細かい水滴によるものがあります。
しかし、どちらも、特定の成分が均一に分布されず、一箇所に固まってしまったことで白っぽく見えるという意味では、仕組みは同じでしょう。
以下で詳しくお話します。
*フラットベースの吹きすぎによるもの
つや消し塗料には表面を凸凹するために大きめの粒子「フラットベース」が入っています。
これがかき混ぜが不十分・全体に対し量が多すぎるなどの理由で、均一に混ざらず、一箇所に固まると大きな塊になります。
そして、この部分が白っぽくなります。
*細かい水滴によるもの
塗料が液体から気体になる際、熱エネルギーが必要なため、周りの温度に比べ冷えてしまいます。
この際、湿度が低いと、空気中の水蒸気が冷やされて液体化し(水蒸気)、細かい霧状になり、塗料にしみ込むことがあります。
この時、水滴は乾燥中の塗料と混ざりあい、大きな塊になります。
そして、この部分が白っぽくなります。
□まとめ
雨が降っており湿気が高いと外壁塗装ができないことがあります。
これは今回紹介したように、塗料の質に与えるリスクを考えると、かなり大切な判断です。
そのため、常にコンディションを考えながら、注意深く行ってくれる業者を見つけることが大切です。
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